意思あるところに道あり

ゆるい若手俳優おたくのあれこれ

『ウエアハウス』をネタバレなしにダイマする。

ウエアハウス。どストレートに言います。観てほしい。なのでダイマします。「これを観なきゃ人生の半分損するぜ!」という言い方はあまり好きではありませんが、「観て後悔はさせません!」「少しでも気になるのならそれこそ観ないと後悔する!」とは胸をはってオススメしたい。そんな作品です。

基本的にネタバレせずレポするのが難しいこの作品。*1そのためかツイッターなどでもレポの出回りが少ない! 俳優さんが続々観劇にこられているけど、この記事も口コミとして少しでも役立てれば。

ストーリーのネタバレは無し、人物紹介のみぼんやりとしていますが核心には触れていません。「何も情報は入れたくねえ!」という人には向きませんが、「気になってるから雰囲気を知りたい〜」という人向けに書いています。

 

 『ウエアハウス』@アトリエファンファーレ JR中央線 高円寺駅徒歩1分

演出:鈴木勝秀(通称スズカツさん) 出演:佐野瑞樹 味方良介 猪塚健太

 取り壊しが決まった教会の地下にある"憩いの部屋"で、地域サークル、「暗唱の会」のメンバーが活動を行っている。
活動の内容は、各自がそれぞれ好きな詩や小説、戯曲などを暗記してきて、メンバーの前で暗唱するというものである。
近くの出版会社で働く男もそのメンバーの一人である。
だが、男はこれまで一度も暗唱を披露したことがない。
アメリカを代表するビート派詩人、アレン・ギンズバーグの長編詩『吠える』をただひたすら練習しているだけである。
一人になると、ぶつぶつと『吠える』をつぶやく。そこへ、若い男が現れる。
いきなり英語で話しかけてきた若い男に興味を引かれ、ふたりは話し始める。
質問ばかりする若い男に戸惑いながらも、いつしか若い男のペースに巻き込まれていく──

 

www.stagegate.jp

 以上、公式からの情報。

 

まず会場選びが既に演出。設定同様に地下。地上道路から階段を降り即ぐチケットをもぎられ、ものの数歩でもう客席。開けたロビーはなく客席への通路が短く狭いため、心の用意をする暇もなく、どんと待ち構える作品の空気と正面からぶつかる。縦はH列、横は最大11番までの70席で、最前列は舞台=俳優の演じ立つ板と同じ高さ。舞台に段がなく、演じるスペースと客席は照明のコードで仕切られていてその距離数十センチ。最後列でも十分見やすく、非常に『詰まった感じ』のする。これがまた作品にあう。各俳優の芝居を何1つ取りこぼすことなく、むしろより陰影をつけて全身に感じさせてくれる。

 

はてさて。あらすじは紹介されているが、では大まかなジャンル、雰囲気は?

まさかこの公演ポスターを見て吉本新喜劇のような笑ってナンボを想像はしまい。個人の感覚に差はあれど、ポスターを見て受けた印象・イメージする空気とほぼ一致するだろう。

『喜怒哀楽』ではなく、『恐怒哀楽』が私には感じられた。添えるとすれば、不安と苦しさ。『詰まった感じ』とも先に書いたが、なにも1時間半ぶっ通しで窒息感があるわけではなく、序盤は笑いとは言わずともちらほら笑顔はあるし、ふっと息の抜ける瞬間はある。進むにつれてじわじわ圧迫されてゆく感覚はあれど、それはあまりにどの一瞬も見逃せないために自ら息を止めて瞬きもせずに見入っているせいでもある。

 

シタラという人物の思考言動の全てが気味悪く不安にさせる。「人に疎遠にされるタイプの人だ…」とも思わせる。されども間違ったことを言っているわけではなさそうだし、なんて気で見ていると…。演じる味方さんの絶妙な間合いが、シタラに危険に見せ、こちらを引き込ませる。終盤ではもはや実在するシタラという人間が憑依してきたようで、『知らない人』の見てはいけない瞬間の目撃者になってしまったよう。

 

エノモトはとても『平均的』で『普通』な男に感じられる。作中では『平均』に言及するシーンがある。言い直せば『中央値』にある男、か。これもまた好ましくはないかもしれないが、人物像をイメージするためには大きく外れてはいないだろう。この作品は誰か1人の人物に感情移入して見るものではないと個人的には考えるが、1番しやすいのはこのエノモトなのではないかと理解はする。過度な特異なクセが無くフラットに受け入れやすい。佐野さんのエノモトを眺めていると、『こういう時に人はこうする』の感情サインが随所にあり、それこそ現実のそこら、身近にもある話のように感じられる。

 

テヅカはシタラとは別方向で時に人に嫌われるタイプ。シタラと似ている部分もあるのだけど全く違って、見るからに水と油の関係。とあるシーンで特別動作が大きいというのもあるが、登場シーンでは基本的に他の2人と比べ所作も大きい。日常生活の中ではとるにたらないような行動にも、タイミングやその様子により相手の感情を煽る力を持たせる猪塚さん。登場時間は2人と比べたら圧倒的に短いものの、先に挙げた『恐怒哀楽』のうち『怒』『楽』をかっさらっていく。

 

照明や音響での表現はある、音楽は無い。音楽は無いが、無音がある。客席のバイブ音なんて論外でそんなものはもちろんないが、離れた席の衣擦れの音、お腹の消化音、自身の唾をのみ込む音までしっかり聞こえる。たった一瞬か、長い間なのかわからない無音。息を止めて体感してほしい。そんな無音もあるが、何度も出てくる同じ音がある。非常に心も頭もかき乱してくる。

 

味方さんはインタビューで「円周率を100桁覚えなくてはいけなくなったが120桁覚える気概でいる」といった旨のことを話していたが、先日は130桁まで言ってのけていた。私自身も120桁まで覚えた上での初日観劇でその暗唱の正誤判断ができたのだが、数日後に更に10桁増やしてきた彼に驚いた。貪欲である。ただでさえ1時間半公演のうち出ていないのはほんの数分で長台詞も多いのに、初日を迎えてなお挑戦する。

これはきっと目に見えてわかりやすいほんの一例で、佐野さん猪塚さんも、また他のシーンも、千秋楽までの残り1ヵ月弱の間も熟考し更に磨き、良い意味で変化する作品になるのだろうと期待せずにいられない。

 

 

とまあ長くなりましたが、そして誰目線の何口調だよって感じですが、より個人的な感想はまた後に別記事として書きます。書いたらこの記事に追記添付します。

 

tmmrrw.hatenablog.com

こっちの記事はネタバレ含むけれど、レポというよりも雑記です。感じたこと考えたことを忘れないためのメモ。 

 

本当に「すごい」と思った。この作品を観て良かったと思う人がより多くあってほしいという意味でも、出演俳優さん3人の芝居の『受け手=観客』がより多くあってほしいという意味でも、オススメしたいのです。地下閉所恐怖症ならば厳しいだろうけども、時間あるな~ちょっと気になるな~という方は是非。 

完売した回もあるけど、これからまだ1ヵ月弱あるので、きっとどこかで都合がつくと願って。当日券もあるようです。1度見るとリピーターチケットもあります! 

私は個人的に「観ておけば良かった」と強く後悔している作品がいくらかあるので、少しでも気になるのなら観るべし精神をぶちまけていきます。

 

アトリエファンファーレ高円寺、高円寺駅から徒歩1分です! 平日は中央線快速・各停どちらも止まりますが、休日ダイヤの日は各停のみになるのでお気をつけて! 

会場にお手洗いは1つしかなく、開演してしまってからは色々な意味で使用は無理がありすぎるので、どちらかで済ませて!

会場徒歩20秒でファミマがあります。新規オープンで綺麗で、イートインスペースもあります。徒歩2分でスーパーもありますが、ビニル袋・ストロー・お箸などはくれないです。私は先日これで打撃をくらいました。

グッズはパンフレットのみ1500円。

初日は事前アナウンスがあった上で演出の都合上空調が切られてたのですが、思っていた以上に暑かったというコメントが多かったのか数日後には最後までクーラー効いてました。暑いつもりの服装で行って今度は寒くて大変でした。

 

はてブロ用ツイッターアカウントを作りました。そのアカウント、またこの記事コメントにあった質問の答えを追記しています。10/13 10:00現在)

 

必殺ダイマチケット取扱リンクで終わりにします。

【CATチケットBOX】

https://l-tike.com/st1/catwarehouse2017/sitetop

 【チケットぴあ】

http://w.pia.jp/t/warehouse-s/

ローソンチケット

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【イープラス】

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*1:ネタバレもなにも初演ではないのだけれど、私のように今回初めて触れる方にとってということで